EventOct 29 2019

トモコイズミ・感謝の想いをリボンで表現 ニューヨーク・ファッション・ウィークで披露

トモ コイズミ

2019年2月、トップスタイリストのケイティ・グランドに見出され、ニューヨーク・ファッション・ウィークで鮮烈なデビューを果たした「トモ コイズミ」。オーガンジーのラッフルを幾重にも重ねてつくるフェミニンでカラフルなドレスは、まさにアート作品。お披露目の瞬間から会場内を高揚感で満たし、多くの人の心をときめかせました。2019年9月6日、再びニューヨークのマーク・ジェイコブスの旗艦店にて7ルックを発表。そのすべてのドレスには、SHINDOの『S.I.C.』が使用されています。今回は「トモ コイズミ」のデザイナー小泉智貴氏に、今回のコレクション、デザイナー目線からの『S.I.C.』の特長、ご自身が目指すデザインについてお話しをうかがいました。


「トモ コイズミ」のデザイナー小泉智貴氏

ーー今回のコレクションテーマを聞かせてください。

テーマは「ギフト」です。ラッフルフリルで作った大きなリボンや、繊細なうねが特徴のグログランリボンで作った小さなリボンをちりばめて、ギフトラッピングのような華やかさを持たせたデザインに仕立てました。 前回のニューヨーク・ファッション・ウィークで実現したショーは、夢のような出来事でした。僕にとってハプニング的な要素が多く、自分で何かを「した」というよりは、まわりのプロフェッショナルに「してもらった」という気持ちが大きかったんです。今回の作品は、ショー開催のために尽力してくれたケイティをはじめ、素晴らしい機会を与えてくれた全ての方への感謝の気持ちを込めました。

ーー今回発表した7ルックすべてにSHINDOの『S.I.C.』が使われていますが、採用されたきっかけを教えてください。

文化服装学院のリソースセンターに作品を展示していたご縁から、センター長の上田さんには「SHINDOという服飾副資材のメーカーがあるので紹介するよ」と聞いておりました。ホビーショーの会場に偶然来られた広報の担当者にご挨拶させてもらったのがファーストコンタクトになりますが、以前から「原宿のショールームには、とても素敵なリボンがたくさんあるよ」と聞いていたので、機会があれば使ってみたいなと思っていました。ちょうど今回のコレクション前ということもあったため早速ショールームに足を運び、色とりどりのリボンが並ぶ景色にワクワクしたのを覚えています。
例えば「黄色」を探しても、わずかな色の差で「黄色」にカテゴライズできる色がいくつかあるんです。そういった、より繊細なカラーバリエーションがあるのが魅力的だったので、ぜひ使用させてくださいとお願いしました。

カラフルな色彩

ーー『S.I.C.』の色の豊富さが使用の決め手になったのですね。

カラフルな色彩がトモ コイズミの魅力のひとつですし、色の多さは感性を刺激されました。ただ、その色の美しさを活かすには、「カラー」だけではなく「トーン」も重要なポイントになってきます。カラフルな色に合わせても色のトーンが揃っていれば全体的な色彩調和が取れるため、ドレスの中で悪目立ちせずアクセントにもなりそうな『S.I.C.』の落ち着いたトーンに惹かれました。
今回セレクトしたグログランリボンは上品な豪華さがあり、とてもフェミニン。ボリューミーなワッフルドレスの装飾に使用しても見劣りしないと感じました。ドレスを完成させるまでの過程で、その時々のひらめきや感性で独自のテクニックで加工することがあるので、適度なハリ感があるところも使いやすそうだと思いましたね。

『S.I.C.』で作ったリボン

カラフルな色彩

ーー具体的に『S.I.C.』はどのように使用されていますか?

ドレス全体に『S.I.C.』で作ったリボンをたくさんちりばめています。リボンというアイコニックなものが加わることによって作品の完成度がぐっと上がりました。 モノトーンのドレス以外は、同系色のグラデーションで3色から4色のリボンを使っています。仕上げていくなかで「ここにもリボンが欲しいな」とたくさん付けていったので、それぞれのドレスに60〜90mほどは使用しています。
心躍る華やかさとボリュームを出したかったので、遠くから見てもリボンとして分かる存在感が出せる太めの幅を採用。リボンがわざとらしく悪目立ちしないようにあえてシワ加工に。リボンのシワ加工は最初から考えていたわけではなく、ワッフルとなじませるために質感をつけたいと感じ、作りながらテクスチャーをプラスしました。

『S.I.C.』で作ったリボン

ーーグログランリボンが新しい表情を見せていますね。創作する過程でもテクニックを開発しながら最善を目指していくとのことですが、クリエイティブでのこだわりを聞かせてください。

衣装デザイナーとして意識していることですが、見慣れた素材でも面白く、トモ コイズミ流の使い方で新鮮に見せたいと思っています。トモ コイズミの作品は「着る」や「売る」を目的にしていないため、トレンドに左右されないタイムレスな良さがあります。そのぶん色褪せない作品を世の中に発信するため、新しいテクニックの開発はいつも意識しています。
ずっと残してもらえるような作品作りを目指すことが、デザイナーとしてできるサステイナブルだと考えているため、基本的にはオーダーを受けたものしか作らないというスタンスでやっています。これも、トモ コイズミのこだわりのひとつと言えますね。

ーーデザイナーとして取り組めるサステイナブル。素敵ですね。そういったこだわりから、今回はリニューアルなどで廃番になった『S.I.C.』を使用されたのですか?

ショールームでいろいろなリボンを見て、触った感覚として、どれも発色や質感、幅の展開、すべて満足いくものでした。ですので廃番になるものも品質の良さは確かです。そこで「せっかくならサステイナブルの視点でも貢献できれば」と考え、お願いして廃番になった商品を見せていただきました。実際、素敵なカラーに出会えたので、廃棄になってしまうものにもう一度息を吹き込み、結果「一点物のために贅沢に使う」という理想的な流れになりました。

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ーー最後に「トモコイズミが目指すこれから」について、一言お願いします。

自分のテクニックによって新しい表現やデザインを生み出し続けたいです。トモコイズミのデザインは「売る」を目的にしたクリエイティブではないので、一般のお客様に届く服ではないのですが、実際にショーを見た人たちや作品写真を見た人たちに、ワクワクして楽しい気持ちになってもらえる服を丁寧に作って世に送り出したい。そしてまた機会があれば、『S.I.C.』を使用した服を作ることができたら嬉しいなと思っています。

【ニューヨークコレクションを終えて】

ニューヨークコレクションを終えて

小泉智貴談:
30年間の積み重ねを披露した1回目のショーとは異なり、今回は6ヶ月という短い準備期間だったため、プレッシャーが大きく精神的に大変でした。しかし、たくさんの方たちのフォローによって成功を収めることができて、今は心からほっとしています。
伝統衣装にある着用の儀式をオマージュとした着脱シーンを見せる演出や、それぞれのドレスのキャラクターやストーリーを表現するためにダンスを取り入れた新しいチャレンジも好評でした。ショー後も、たくさんのお褒めや激励の言葉をいただいて自信を得ることができました。これからもトモ コイズミの世界観を通して感動を与えられるよう、感謝の気持ちを忘れずに自由に表現し続けていきたいと思います。

2020年春夏ニューヨーク・コレクション バックステージの様子はこちら

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2019.10東京で発表されたショーの様子はこちら

小泉智貴
■小泉智貴 http://www.tomo-koizumi.com/
instagram

https://www.instagram.com/tomokoizumi/

トモ コイズミ(TOMO KOIZUMI)のデザイナー。14歳の時に雑誌に掲載されたジョン・ガリアーノによるDiorのコレクション写真に魅了され、独学で服作りをはじめる。大学時代にブランドを立ち上げ、PerfumeやDREAMS COME TRUE、YUKIなど様々なアーティストの衣装を担当。ファンタジーな魅力をまとう斬新なデザインでグローバルにファンを拡大中。

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