EventNov 29 2019
世界最高峰のファッション素材見本市『Première Vision (プルミエール・ヴィジョン)』。インターテキスタイル上海、ミラノ・ウニカと共に世界3大ファッション素材見本市と呼ばれています。
2019年9月17日〜19日の三日間、世界各国から多数のデザイナーやトリム担当者が、フランス・パリにあるノールヴィルパント見本市会場へ来場されました。
今回、現場の空気を体感してきた商品企画のリーダー尾崎が、独自の目線からプルミエール・ヴィジョンをレポート。会場内の雰囲気や出品製品の紹介以外に、きっと役に立つ!?小ネタ集も合わせてお届けします!
▲商品企画リーダー 尾崎(写真中央)
2019年9月開催の「プルミエール・ヴィジョン2020-21AW」のテーマは、引き続き世界的に注目されている『サステイナブル』。最近は雑誌や新聞で文字を目にすることも多く、アイドルグループAKB48の楽曲タイトルにもなったことで幅広い世代が耳にすることが増えたのではないでしょうか。
今回のプルミエール・ヴィジョンのテーマには「製造する責任としてすべて隠さず、自然界へもたらす影響に目を伏せずに、最善の方法を模索しながら未来永劫的に人間と自然が共存できる新しい世界を作ろう」というメッセージが込められています。メインエリアにはテーマを象徴する森のディスプレイやイメージ共有のためのVR鑑賞もあり、感覚的に、深くテーマを理解できる工夫が見受けられました。
世界中すべてのメーカーは、製品を作る過程で自然界に影響を及ぼす責任を自覚し、環境を守るための使命感を高めていくことが必要ということなのですね。
SHINDOブースでは様々な言語に対応できるよう、グローバルなスタッフが待機しています。私も現場で接客対応することもありましたが、時間が空いた時には他社のブースチェックや会場内に展示されているSHINDO製品を探して広い会場内を見てまわりました。
周回していると、喫煙ブースやじゅうたん、パネルなど至るところに、紫、紫、紫!どうやら今回のキーカラーは「紫」のようです。プルミエール・ヴィジョンで使用されるキーカラーは次のトレンドカラーに直結します。それを知っているデザイナーたちも参考にしているため、SHINDOも服飾副資材のメーカーとしてトレンドカラーに合う色を見定めることが必要不可欠です。そういったことから会場内をチェックする時間も大事。決してサボっているわけではありませんよ(笑)
来場者はメインエリアから各ホールに移ると、まずはフォーラムエリア入り口のINDEXコーナーをチェック。その後トレンドブースを見て各企業ブースへと移動します。
トレンドブースとは、今回のテーマ(サステイナブル)に合ったものを主催者側がピックアップして展示するブースのこと。SHINDO商品は20点程展示されていました。
今回のために新しく開発した商品の中から特にテーマを意識したリボンが「washi」です。「washi=和紙」という名の通り、植物性繊維から作った紙でできています。軽量かつ、耐久性・耐水性があり、洗濯も可能。燃やしても有害物質は出ず、いずれ土に還る自然に優しいエコな素材です。
早い段階からサステイナブルに取り組んでいるヨーロッパは特に天然素材のものを求められることが多く、ダイレクトにデザイナーの反応を見られるプルミエール・ヴィジョンは商品企画チームとして次の開発に向けて情報収集できる貴重な機会となっています。
今回の出展アイテムのなかで、特に評判が良かったものをご紹介いたします。お問い合わせいただければ、具体的な使用方法の提案やサンプルをお送りすることも可能です。
商品の軽量化や薄い生地との相性を考えて新開発した、ハリとコシを持たせた薄手のストレッチテープ。目面が美しくなめらかで、さまざまな素材とも好相性です。定番色に加え、ヌーディーなカラーも展開。ご希望の色がない場合は「後染め」も可能で、短納期・小ロットでご希望のカラーをオーダーいただけます。
SHINDOオリジナルブランド「S.I.C.」の既存人気品番を皆様のご要望に合わせリサイズしました。優れた伸縮性があり、洋服の切り替え部分などに適しています。軽やかなメッシュを活かしたデザインアクセントとして、通気性を向上するパーツとしてのニーズも。
「エレガンスなナイロンベルトが欲しい」というご要望を受けて商品化。同シリーズで織り方を変えた3バリエーションを展開しました。カジュアルになりすぎないナイロンベルトはバッグの持ち手や洋服のベルトとしてだけでなく、存在感のあるアクセント使いにも。汎用性のある使い方ができると好評でした。
ほつれなどを防ぎ、耐久性も向上できる紐先加工のためのチップバリエーション。デザインアクセントにもなり、パーカーのフードやパンツのウエスト部分、スニーカーの紐などに多く使用されています。特に欧米ブランドからの要望が多かった商品の一つです。
プルミエール・ヴィジョンは新素材を発見して商談するだけでなく、知見を深められるセミナーやファッションショーがいくつも開催されています。トレンド解説や最新素材の紹介、世界的な環境問題や未来を良くする取り組みなどを学ぶ場としても非常に有意義な経験になることばかりです。来場を検討されている方がおられるなら、ぜひ来場をおすすめします。
そこで、プルミエール・ヴィジョンに行くなら必読!きっと役に立つ!?『尾崎流プルミエール・ヴィジョンの歩き方』と題して、少しばかり小ネタをお伝えします。
フランスでは電車や飛行機の発車時刻が遅れることがままあります。時間にゆとりを持って行動するのが正解。ストが多い9月、最悪のケースは運休になることも...。
とにかく会場内が広い!1日ではまわりきれないくらいの広さなので歩きやすい履き慣れたシューズは必須アイテム。混雑する場所ではスリにも警戒が必要ですね。
各ホールには飲食ブースや休憩所があり、ちょっとした世界のグルメが楽しめます。私のお気に入りは、おしゃれなカフェで食したクロワッサンとパン・オ・ショコラです。
電波環境も問題なく、Wi-fiも繋がるため安心です。しかし写真撮影NGのエリアがありますので、カメラの使用については特にお気を付けくださいね。
開始時間が近づくとプッシュ通知が届く専用アプリがあります。またセミナーがフランス語の場合は、イヤホンガイドが無料で貸し出されるのでそれを装着すれば英語に同時通訳してくれます。
2月のパリはかなり冷え込むため移動中の寒さにご注意を。会場内はエアコンが効いていますので、脱いでもかさばらない暖かい防寒着が良いかと思います。
次回の『2021SSプルミエール・ヴィジョン』は、2020年2月11日~13日に開催が決定。また、先行して2020年12月11日〜12日に開催されるBLOSSOM Premiere Vision(プルミエール・ヴィジョン・ブロッサム)では一足早く製品をご覧いただくことが可能です。また、パリ市内のビクトワール広場にあるショールームでは実際に商品を見ていただき、サンプルカットすることも可能です。
SHINDOは、今回でプルミエール・ヴィジョンへの参加が30回目となりましたが、これからも世界へ誇れるプロダクトアウト、広く求められるマーケットインのために一丸となって邁進していきます。
プルミエールヴィジョン2019-20AWの様子はこちら
TOPCategory Archive(カテゴリ一覧)Event『プルミエール・ヴィジョン2020-21AW』を商品企画スタッフがレポート!