TechniqueApr 18 2019
安心して使用できる製品を世の中に送り出すため、SHINDOは工場内に試験評価部門を設け、日々厳しい目で品質管理を行っています。製品の原料及び製造フロー、規格、注意点などが記載されている「仕様書」(いわゆる製品の設計図)を基に、目視による品位確認や各試験での性能確認を行い厳しくチェックしています。リボン、テープの幅を実測したり、1インチあたりのループ数(編目)をチェックすることで規格内で製品が仕上がっていることを確認します。今回は、SHINDOのもの作りを支える品質管理部の部長の内藤正志とリーダーの由田清士が、『SHINDOクオリティを支える品質管理の仕事』についてお話しいたします。
▲写真左より品質管理部 リーダー 由田清士、部長 内藤正志
▲SDS繊維製品品質管理基準
仕様書同様、品質管理としても合格評価基準の共有認識を持つことは、安定したクオリティの商品を作り出すために必要だと考えています。私たちが作る服飾副資材に求められるのは、見た目の美しさだけではありません。実際に使用される環境に耐えうる品質かどうかを判断する必要があります。そのためのベースの基準になっているのが、SHINDO独自の基準『SDS』です。数多くのお客様の用途やご要望をフィードバックして情報を蓄積。それらを基に定めた評価基準『SDS』に沿ってオリジナルリボンS.I.C.は製造され、品質が保たれています。しかし用途によっては、さまざまな機能性や耐久性を求められる場合もあります。特に別注オーダー品では『お客様ごとのニーズや用途』を踏まえて、それぞれの製品毎に規格が定められます。そして日々の試験によるチェックを繰り返すことで生産される製品の品質保証へと結びつけています。高品質の製品を安定してお届けするため、JISやISOも意識したうえで独自の基準を掲げながらも、さまざまなお客様に信頼される「こだわりのもの作り」を追求しています。
工場内にある検査エリアの一角に品質管理室があります。その仕切られたスペースには、製品を評価する様々な試験機があり、その試験機を用いて堅牢度の測定を実施。色の堅牢性を評価しています。その結果が、SHINDOの評価基準『SDS』の許容の範疇であるかをチェック。品質管理室に持ち込まれたサンプルは、即日、品質を判断します。また、それらとは別の堅牢度に関する評価として、量産品の基本的な管理項目は1週間以内を目安に、試作品などで評価項目が多岐にわたる場合は、約1〜2週間をかけて性能を確認します。もしも品質基準に満たない場合は、製造現場に入って詳しくチェックを行い、改善への道筋を一緒に考えます。試作品などの場合には、製造工程のスタッフがサンプルを持って品質管理室へ相談に来ることもあります。それぞれの部署のプロ同士が相談しやすく、コミュニケーションを図りやすいのは、工場内に品質管理部があるからこそ。お客様の信頼に答えるために、作る側、検査する側が意見交換をしながら協力し合い、相互の視点で高みを目指したもの作りができる環境でSHINDOの製品が生まれています。そして出来上がったものを安心して世の中に出せるように、品質管理のプロとして、地道に、丁寧に、すべての製品を見極めています。
私たちが品質を知るために機械でテストするのは、「堅牢度試験」と「物性評価試験」です。堅牢度試験とは色の変化や退色、色移りなどを評価する「色の安定性」を評価する試験。雨や汗でなどで濡れた状態のまま着用した場合の変退色と汚染を調べる「水試験」と「汗試験」。洗濯中やクリーニング中の変退色や繊維製品の抵抗性を評価する「洗濯試験」と「ドライクリーニング試験」。倉庫保管中における変退色や汚染を調べる「昇華試験」。着用中や洗濯中の摩擦でおこる汚染を調べる「摩擦試験」。日光による変退色や製品の抵抗性を評価する「耐光試験」が、基本の検査となります。
これに熱や蒸気、洗濯などでおこる「収縮」や、製品の強さ、毛羽立ちやすさなどの物理的特性を知るための「物性評価試験」を合わせて『SDS』基準に合格しているかを判断しています。
▼洗濯試験機
▼昇華試験機
▼摩擦試験機
▲品質管理部 リーダー 由田清士
SHINDOの製品のベースになっている基準『SDS』は、ある側面では品質の判断材料になり、また、ある側面では商品を企画する際の判断基準にもなっています。蓄積されたノウハウやデータをお客様へ還元しながら「SHINDOらしいもの作り」ができるのも、歴史があり、グローバルな展開での先進的な目線を持っている企業の強みだと考えています。今後は私自身ももっと直接お客様にお会いしてニーズをダイレクトにうかがい、品質や性能の向上のために知識と経験を活かしていきたいと考えています。また、サスティナビリティに対応したもの作りで、変化する業界の動向にもスピード感を持って柔軟に対応していきたいですね。
▲品質管理部 部長 内藤正志
安心してSHINDOの製品を使っていただくことが、全社員の願いです。生産現場と品質管理、企画、営業が一丸となって、ご要望を満たす安定した品質確保のためにこれからも地道に丁寧に尽力していきます。今後は近年増えている「環境対応に対する要求」に応える判断基準の追加を検討し、グローバルな企業としての自覚を持って、それぞれの国や企業に合わせた取り組みを強化していきたいと考えています。世界に誇れるSHINDOクオリティのために、最後の砦の気持ちで職務に努めて参ります。
TOPCategory Archive(カテゴリ一覧)TechniqueSHINDOクオリティを守る、品質管理の仕事。